辻本運輸の特徴として、多種多様な顧客の取引をしているため、幅広いニーズにお応えすることができます。中古車販売業者やカーリース企業をはじめとしたさまざまな業種の顧客と直接契約しているため、景気や社会情勢などによる変動が少なく安定感のある経営を続けてこられました。顧客とのコミュニケーションも密に取り合いながら、ニーズに沿った提案を行う姿勢も評価いただいています。また、協力会社との距離の近さも強みです。2024年にはドライバーの労働時間の規制が現在よりきびしくなります。その際に、現場のことをよく理解した上できめ細かくケアできるのは大きなアドバンテージです。全国にある4拠点の立地と多くの協力会社との連携を活かして、今後も迅速で安全で効率的な車両輸送を目指します。

管理職として現在目標としているのは、入社してくれた全員が定年まで働ける職場づくりです。ひとつは労働時間の削減で、本社では毎週月曜日にノー残業デーを設けました。もうひとつは、不得意なところを矯正するのではなく、それが得意な人同士で補い合う体制の構築です。わかりやすい例をあげれば電話応対で、苦手な社員に無理強いすることはありません。自分から言い出しにくい社員もいると思うので、部下の様子を見ながら「今の仕事は自分に向いている？」と声かけをして配置転換を考えることもあります。みんなに同じことを求めるのではなく、お互いの凸と凹を組み合わせた方が結果的にプラスに働くはずです。現場を働きやすくするヒントは常に現場にあるため、社員の声を積極的に吸い上げています。

2020年より本格的に会社が新体制になったときから、いままで以上に社員がチャレンジしやすくなったように思います。個人的にも奨励していて、基本的に反対しません。成功すればみんなで喜び合えますし、失敗してもそこから学びを得られるからです。部下が考えた様々な施策を試していければと考えています。チャレンジといっても大それたものでなくても構いません。職場に音楽をかけたいという女性社員の提案を採用し、みんなの集中力が増したという事例もあります。全員の小さな工夫が積み重なっていくことで、3年間で売上が2割伸びました。私が入社したころと比べると大口輸送は減り、代わりに個人リース車の回収などの小口が増えているなど、車両輸送を取り巻く情勢は時代とともに変化しています。これからも部下のチャレンジを後押ししながら、時代に応じた柔軟な経営で業績を伸ばしていくのが理想です。